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日本とアメリカの防災の違い |
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みのる防災 |
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72時間を超える備え=SRT(Self-Reliance Time) |
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「防災って大事だと分かってる。でも正直、めんどくさい…」 |
本日のテーマ!
1. 地理的背景:地震列島と多災害大陸
日本は「地震+水害」の複合災害が集中する国です。
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南海トラフ、首都直下、火山噴火
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豪雨・台風・土砂災害
一方アメリカは「国土が広すぎる」ため、地域ごとに災害が違います。
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東部:ハリケーン
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中西部:竜巻
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西部:山火事・地震(カリフォルニア)
👉 日本=全国共通の脅威に対応
👉 アメリカ=州ごとに全く違う災害に対応
2. 歴史的背景:戦後復興と冷戦構造
日本の防災制度は、戦後の復興と高度経済成長の中で整備されました。
特に阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)を契機に、法律や計画が次々と改正され、内閣府防災や自治体の仕組みが強化されてきました。
アメリカは違います。冷戦期、まず想定したのは「核攻撃」。
市民防衛(Civil Defense)としてシェルターや避難訓練が展開され、その後「自然災害にも対応できる仕組み」へと拡張。
こうして1979年に**FEMA(連邦緊急事態管理庁)**が誕生しました。
👉 日本=自然災害を軸に制度進化
👉 アメリカ=軍事防衛から民間防災へ転換
3. 文化的背景:集団主義と個人主義
日本は「共助」を重んじる社会です。
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自主防災組織
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消防団
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避難所での共同生活
アメリカは「自助」が基本。
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家族単位で1週間以上の備蓄を推奨
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教会やNPOが避難所や支援を担う
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銃社会ゆえに自己防衛意識が強い
👉 日本=「みんなで避難」
👉 アメリカ=「まずは家族を守る」
4. 体制の違い:司令塔は誰か?
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日本:内閣府や防災担当大臣が中心。複数の省庁を調整する「横断型」。
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アメリカ:FEMAが大統領直轄で動く「一元型」。
👉 日本=調整型、アメリカ=司令塔型。
この違いが、災害対応のスピードや責任の所在に大きく影響します。
5. 市民の認識の違い:72時間と7日間
日本では「72時間の壁」が一般的です。
一方、FEMAは “at least 7 days” の備蓄を推奨しています。
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日本:公的支援が比較的早く届く前提
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アメリカ:支援は遅れる前提、だから発電機や大量備蓄
👉 ここにも「中央依存型」と「自助徹底型」の差が表れています。
まとめ:違いを知ることが備えにつながる
日本とアメリカは、地理・歴史・文化が違うからこそ、防災の姿も異なります。
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日本は「組織力と共助」に強み
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アメリカは「自助と民間力」に強み
どちらが優れているかではなく、両方の長所を学び合うことで、より強い防災モデルを築けるのではないでしょうか。
🔜 次回予告
次回は 「FEMAと日本の防災組織──司令塔の違い」 に迫ります。
「調整型の日本」と「一元型のアメリカ」。
同じ“司令塔”でも、その役割はまったく違うのです。
🔖 参考・出典
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内閣府防災「防災担当の役割」
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災害対策基本法(e-Gov)
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FEMA Official Website (Federal Emergency Management Agency)
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Haddow, G., Bullock, J., & Coppola, D. (2017). Introduction to Emergency Management. Elsevier.
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Tierney, K. (2014). The Social Roots of Risk: Producing Disasters, Promoting Resilience. Stanford University Press.
日本人の「共助文化」は農耕民族の歴史、アメリカの「自助文化」は狩猟民族の歴史を思い出させます。
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