日本の防災と海外の防災との比較ブログ!防災士、消防設備士、消防団員、 そして社会人大学院履修科目生として 知見を活かしながら防災の知恵を配信します
今回のテーマ!
![]() |
日本とアメリカの防災の違い |
![]() |
みのる防災 |
![]() |
72時間を超える備え=SRT(Self-Reliance Time) |
![]() |
「防災って大事だと分かってる。でも正直、めんどくさい…」 |
本日のテーマ!
文化的背景のさらに深い視点:農耕と狩猟の記憶
日本人の「共助文化」は、長い農耕社会の歴史と深く結びついています。
田植えや稲刈りなどは一人ではできず、村落単位で協力しなければ成り立ちませんでした。自然災害も「村ぐるみ」で対処する必要があり、その延長線上に「自主防災組織」や「消防団」の文化があります。
一方アメリカ社会の根底には「フロンティア開拓」や「狩猟社会」の記憶が残っています。
西部開拓時代には、家族単位で荒野に暮らし、時には自衛のために銃を手にしました。近隣の助けを借りるよりも、まず「自分たちで守る」ことが基本姿勢。これが現在の「自助徹底」や「1週間以上の備蓄」に直結しています。
👉 日本:協力と分業が生き残りの鍵
👉 アメリカ:独立と自己防衛が生き残りの鍵
つまり、現在の防災スタイルは 「歴史の記憶」が社会規範として残っている ことを示しています。
具体例でみる「文化の記憶」
-
日本の避難所は体育館や公民館での「共同生活」が前提。プライバシーは後回しでも「みんなで生き延びる」が優先されます。
-
アメリカの避難所は教会やNPOが主導し、家族単位の区画やプライバシーが重視される傾向があります。
こうした違いも、農耕文化(共同体重視)と狩猟文化(家族単位重視)の延長線上にあると考えられます。
学べること
日本は「共助文化の強み」をさらに磨き、アメリカは「自助文化の強み」を持っています。
もし両方を組み合わせられれば──
-
日本に「1週間以上の個別備蓄」を普及させる
-
アメリカに「地域共助の仕組み」を導入する
といった形で、より強い防災社会を築くことができるでしょう。
👉 災害大国・日本の次のステップは「自助と共助の融合」かもしれません。
参考・出典
-
内閣府防災「防災担当の役割」
-
災害対策基本法(e-Gov)
-
FEMA Official Website (Federal Emergency Management Agency)
-
Tierney, K. (2014). The Social Roots of Risk: Producing Disasters, Promoting Resilience. Stanford University Press.
-
Diamond, J. (1997). Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies. W.W. Norton & Company.
-
Bellah, R. (1957). Tokugawa Religion: The Cultural Roots of Modern Japan. Free Press.
-
Cronon, W. (1983). Changes in the Land: Indians, Colonists, and the Ecology of New England. Hill and Wang.
👉 次回は予告されていた「FEMAと日本の防災組織──司令塔の違い」をより深掘りできます。
0 件のコメント:
コメントを投稿